数学U 平均変化率と微分係数 | |
日時:平成13年11月9日(金)6校時 | 指導者:小野田啓子 |
対象:高校3年D組(理系)42名 場所:コンピュータ教室 | 使用ソフト:Grapes 形態:各自操作 |
(本時の目標) コンピュータを活用して,
@2次関数のいろいろな区間で平均変化率を求めて,関数の値の変化の様子を興味・関心をもって調べる。 A平均変化率の極限値(微分係数)の,グラフ上の意味を理解する。 A物体の落下運動という身近な現象を表す関数を用いて,操作・観察や,帰納・直感などの数学的な活動を通して,具体的な事象における平均変化率の意味,平均変化率の極限値の意味を理解する。 |
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(授業計画) 第4章 微分法
1.平均変化率と微分係数 2.導関数 3.関数の値の増加・減少 4.方程式・不等式への応用 1.平均変化率と微分係数(2時間) 1時間目 平均変化率と微分係数(本時) 2時間目 微分係数の定義(式)と,平均変化率,微分係数の計算練習 |
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(準備) ワークシート,Grapes操作マニュアル(以上は事前に配布をして学習課題を把握してくる),ペン | |
(研究主題) コンピューターを活用した,数学的な活動を深める授業の在り方 | |
(主題設定の理由)
平成11年3月に高等学校学習指導要領の改訂が行われたが,数学科の目標に「数学的活動を通して創造性の基礎を培う」という観点が新たに取り上げられている。数学の学習は,様々な外的・内的な数学的活動によって深められている。授業における活動の楽しさを味わうことができ,創造性の基礎を培うための数学的活動が積極的に行われるような指導の工夫を図るために,コンピューターの有効な活用方法の研究を行いたいと思い,本研究主題を設定した。 |
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(ねらい) 視覚的な情報が理解を助けるような分野で,コンピュータを活用することによって,生徒が興味・関心・意欲を持って授業に取り組み,探求活動が活発に行われること。 |
時間 | 授業内容(教師) | 生徒の活動 | 留意点 |
5分 | ・生徒に,コンピューターの電源を入れさせる。
・「平均変化率.gps」を使って,y=x^2のグラフで平均変化率の説明をする。 |
・ワークシートを準備して,自分のパソコン画面で,説明を聞きながら平均変化率の定義を確認する。(各自) | ・生徒用パソコン画面に,教師画面を映して,生徒に注目させる。 |
5分 | ・[問1]に,各自取り組ませる。平均変化率をGrapesで求めてみるよう指示する。 | ・Grapesを起動し,「平均変化率.gps」ファイルを開く。a,bの値を変えて平均変化率を求める。(各自) | ・回りながら,指導する。
[評価]自分で平均変化率を求めようとしているか。(関心・意欲・態度) |
2分 | ・[問1]下の平均変化率の意味を確認する。 | ・発言する。(全体活動) | [評価]・平均変化率の意味を考えられたか。(数学的な考え方) |
5分 | ・[問2]の問題に,始めは各自取り組むよう指示をする。 | ・[問2]の問題に取り組む。(各自) | ・回りながら,指導する。 |
8分 | ・[問2]の確認をする。
・点Qを点Pに近づけたときの,直線の変化の様子を,観察させる。点P,Qが極めて近づいたとき,曲線に1点で接しているように見えても,点P,Q付近を拡大してみると2点を通る直線になっていること,接しているように見える直線の傾きが2点間の平均変化率で求まることを確認する。 ・平均変化率の極限値(微分係数)のグラフ上の意味を確認する。 |
・何人か発表する。(全体活動)
・自分のパソコン画面に映された友達の画面や,教師画面を見て,自分の考えと比べながら聞く。(全体活動) ・[問2]下の項目を確認する。(各自) |
・2倍のZOOM機能を使いながら,点Qを次第に点Pに近づけていく過程を丁寧に確認する。 |
2分 | ・身の回りにある関数と呼べるいくつかの例を確認して,ここでは2次関数で表される,地上での物体の落下運動の例を取り上げてみることを説明する。 | ・関数の例を考える。(各自・全体活動) | ・静止した物体が受ける風圧は風速の2乗に比例するなど,身の回りにある現象の中からいくつかの例をあげる。 |
7分 | ・[問3]の問題に,始めは各自取り組むよう指示をする。 | ・[問3]の問題に取り組む。(各自) | ・設問(3)では,画面のズーム機能を使うよう指示する。 |
5分 | ・グループで,[問3]について話し合いをさせる。 | ・自分の考えを発表しあう。
(グループ活動) |
・友達と自分の考えを比べながら,話し合うように指示する。 |
8分 | (・モニター画面に各班のワークシートを映して,全体で発表し合う。 ただし状況により,発表を除くこともある。その場合は,教師が誘導して確認。)
・[問3]の確認をする |
(・各グループごとに,[問3]の発表をする。 ただし状況により,発表は除くこともある。)
・画面でGrapesを使って,全員で確認をする。(全体活動) |
[評価]・平均変化率の意味を考えられたか。(数学的な考え方)
・平均変化率を求めること,極限化の操作ができたか。(表現・処理) [評価]・関数の値の変化率と極限の考え方が理解できたか。 (知識・理解) |
3分 | ・Grapesを閉じて,パソコンの電源を切る。 | ・本時の内容を振り返り,授業の感想を記入。(各自) |